プリセプターになった時に役立つ!看護師に必要な指導ポイントとは

看護師を続ける上で避けて通れないのが新人ナースの指導。

正直まだ教えられるほどできないんですけど!
自分の仕事が手いっぱいなのに、これ以上仕事を増やしたくない!

…これが本音ですよね。

しかし、後輩が入ってくれば嫌でも教える立場になります。
それは分かってても、実際指導係に任命されたら不安になりますよね。

そこで今回は、教える立場になった時に役立つ指導のポイントをまとめました。

はじめてプリセプター(指導者)になったのは?

まずはこちらのアンケートをご覧ください。
みんなはいつ頃教える立場になったのでしょう?

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ほとんどが2〜3年目でプリセプター(指導者)を経験していますね!
5年目以降の意見では、「そもそも教育の制度がない」「転職をくりかえしていてどちらかというとまだ新人に近い」といったちょっと特殊なケースが多いようです。

では次に、実際の指導で困ったことは何だったか?をみてみましょう。

指導する上で困ったことは?

1位 何を教えればいいか分からなかった
2位 どうやって教えればいいか分からなかった
3位 新人に付き合って帰るのが遅くなった
4位 仕事量が増えて大変だった
5位 プリセプティ(教わる側)と合わなかった
6位 何かあると全部私のせいになった

新人、後輩への指導というのは、看護師なら誰もが通る道でしょう。
しかも遠い未来にではなく、基本的には後輩が入職すればすぐに任される役割。

みんなが手探りで、迷いながら、悩みながら指導係をしていることがわかりますね。
そこで大事なのが指導のポイント。
ポイントを押さえて指導に向き合うことで、悩みや不安は軽減できるはずです。

さて、ここからは教える立場になった時に役立つ指導のポイントをお伝えします。

指導のポイント5つ

1 仕事を任せる
2 失敗をこわがらない
3 謙虚な姿勢で取り組む
4 コミュニケーションを大事にする
5 一人で抱え込まない

仕事を任せる

仕事を「振る」と「任せる」の違いわかりますか?
単に自分の業務の一部を指示するのが「仕事を振る」です。
例えば、〇〇さんの清拭やってきて。〇〇さんの部屋にコールマットセットしてきて。など、自分がやろうとしていたことを、ただ代わりにやってもらうこと。

指示した業務に関しての権限と、責任の一部も一緒に渡すことが「仕事を任せる」です。
例えば、〇〇さんの安全対策を考えてほしい。などのように、情報収集、問題把握、危険予測、対策の考案、実施までをやってもらいます。

権限と責任を渡すことで、本人は「任せられた」と実感し、責任を持って遂行しようとがんばります。もちろん、経過報告は随時受け、許可があって初めて実践です。

仕事を「振る」ばかりでは、新人ナースは成長しません。成長に応じて「任せる」ことを増やしていきましょう。

失敗を怖がらない

仕事で失敗するのは若い看護師の特権です。
たしかに、担当の新人ナースが失敗すれば連帯責任。
指導者の責任も問われます。
しかしだからといって、全ての失敗を封じてしまうような指導法では、自分で考え判断して動ける看護師に成長させることはできません。

仕事内容の難易度が高ければ、その分失敗の可能性も高くなります。
でもあえてそういう仕事も任せていきましょう。

ただし、患者さんの不利益になることや、重大なアクシデントにつながることは事前に防いでくださいね。報告や相談は常にできる環境を作ることも指導者の役目です。

謙虚な姿勢で取り組む

指導者になると勘違いする人が多くみられます。
教える立場というのは、心理的に優位な立場です。指導をしていくうちに、「教えてあげてる」というごう慢な部分が現れます。相手を見下す気持ちが生まれてしまうのです。

例えば、臨床において実践能力の高い看護師についた新人ナースがなかなか成長しない。こういうケースは多々あります。
これは必ずしも新人ナースが悪いわけではありません。

見下す気持ちが狂わせていく。
大声で怒鳴る。
担当の新人ナースの悪口を言う。
みんなの前で失敗を責める。
こんな指導者見たことありませんか?

実践能力の高い看護師は、自信を持っている分、見下す傾向が強く、このような指導者になりやすいので注意を。謙虚さを常に意識しましょう。

このような指導を受けた新人ナースは、恐縮し、緊張し、不安いっぱいで毎日を過ごすことになるでしょう。
こんな状態で成長できるでしょうか?

教育は共同作業。
教える側こそ謙虚な姿勢で、共に成長するチャンスと考え、関わることが大切です。

コミュニケーションを大事にする

相手を理解する事で教育の質は上がります。
相手のことを理解する事で、相手のニーズに応じた指導ができます。
新人ナースの性格、看護観、目標、興味、希望などです。
これらを理解するためには、コミュニケーションが必要です。

例えば、患者さんに対しても同じですよね。
患者さんの生活背景をより理解していた方が、患者さんのニーズに合ったケアを提供しやすいですから。

理解しないままでは、ただ自分が教えたいことや教えられる範囲内での指導になってしまい、教育に偏りが出てしまいます。

相談しやすくなります。
コミュニケーションによって、互いの理解が深まれば、自然と信頼関係が築かれます。
信頼関係が築かれれば、気軽に相談もしやすくなるでしょう。
新人ナースの中には、指導者が怖くてミスを報告できず、隠蔽や対応の遅れにつながってしまうこともよくあります。

その場合は、コミュニケーション不足と言わざるを得ません。

一人で抱え込まない

教育はチームで行うものです。
教育の方法やマニュアルは、病院によって異なります。しかし基本、新人ナースはみんなで教育していくもの。担当の指導係だけが関わるものではなりません。

新人に対して担当の指導係がいて、その指導係が相談できる上位の看護師がいて、またさらに取りまとめる役割の人がいて。新人に対しても複数の人が教育に関わることが仕組みとしてあるのが通常です。

指導者にも教育やよりどころが必要です。
教える側、教わる側、二人だけの世界になってはいけません。近くの先輩や上司に、困ったことがあれば相談し、不安になったら確認し、世界を広げましょう。

私の病院では、教える側にも勉強会や、同じ立場同士の交流会が行われます。ここではノウハウの再確認や、悩みを共有することができます。
教える側にも教育や頼れる繋がりが必要なんです。

そして色々な人が教育に関わる仕組みがあるからこそ、教える側も教わる側も、安心できるのです。

もし、そういった仕組みが職場になかったり、指導係一人に責任を押し付ける雰囲気が職場にあるなら、職場を変わることを考えた方がいいかもしれません。

まとめ

現場で求められるのは、その場の状況から考え、判断し、行動できる看護レベル。
マニュアルに沿ってすすめられる作業のレベルではありません。

新人ナースをそういった看護師に成長させる役目が、指導者にはあります。

でもまだ自分自身がそんな高いレベルじゃない…

そう。
だからこそ、謙虚に、共に成長する気持ちを持ち続けることが大事。
半人前だからこそ、一人で抱え込まずに相談しながらやっていくべきなのです。