HIVに感染した看護師
私は22歳までプロのスポーツ選手をめざしていました。しかしその夢は挫折を迎え、兄が看護師という事もあり、自らも看護師という道を選びました。
現在、ICUで働いています。
HIVと診断される
4年前のある日、私は2回目の帯状疱疹にかかりました。帯状疱疹とは免疫機能の低下によって引き起こされるものですが、一度罹患すれば免疫が構築されるので、若い人では複数回、帯状疱疹になる事はほとんどありません。おかしいと思い、自分の勤め先とは別の病院にかかり検査したところHIVである事が判明しました。
その頃、ニュースで同じくHIVに感染した男性看護師が、勤め先の病院から不当に解雇されたという事を知りました。
私も同じ運命にあるのだろうなと不安を抱えていました。
解雇されるかも・・・覚悟していたが
看護師長・部長に相談しました。10ヶ月ほど療養休暇を頂きましたが、そんな病気だからといって、病院側は問題としないと言って頂きました。
最初は辞めるつもりでしたが、思いがけない上司や病院の対応に辞めようとは思いませんでした。今では心から感謝して働く事ができています。
病気になっても看護師としての志は変わらない
上司、病院側が自分を偏見の目で見なかった事は救いでした。自分自身も看護師として誇りを持って今まで働いてきて、また、病気に対して受容でき前向きに考えられる事ができた事でモチベーションを下げる事なく、向き合えた事が一番大きかったと思います。
自分と向き合い、病気と向き合う
この病気でなくても、色々な病気を抱えている人は他にもいると思います。職場に恵まれる事も大事ですが、まず、自分としっかりと向き合い、これからのビジョンをしっかりと持ち前に進んでいく事が大切だと思います。医療従事者として自身の病気については葛藤はありますが、元気に働く事ができています。